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この日が来るなんて夢みたいだった。
それは子供の運動会。
よく運動会で必死に走る子供の姿を見て、オイオイと泣く親の絵があるけれども、
子供が出来るまではそんなこと、ありえねーと思っていたけれども。
実際、保育園の運動会を体験してみるとじつに感動の嵐だった。
親対抗リレーで走る。この後、壮絶にこけて血を流しながら会場を沸かせた(笑)
子供を持つとわかることなんだけど、人間が動き、走り、笑ったり泣いたりするということは実は奇跡みたいなことだ。
最初は呼吸して泣くことしか出来なかった生き物が、ハイハイをはじめ、よちよちと立ち上あがり、そして走ったり、飛んだり、笑ったり。
その過程をみているうちに、親自身もこの世界で自分自身が健康に存在できているということに深い感謝の念が湧いてくる。
生きているということは奇跡だ。
いつのまにか当たり前の顔を僕らはしてしまうけれど、これはまごうことなき奇跡だ。
僕の子供は産まれた時にちょっと健康上の問題があったから、僕はよく小さな子供の寝顔を見ながら夢想した。
この子が無事、飛んだり笑ったりしたら僕はそれだけで泣いてしまうんだろうなって。
そしてその象徴として運動会の光景を頭によく思い描いていた。
その運動会が現実になった。
嬉しかったなあ。
予想と違って泣いたりはしなかったんだけど、でも本当感動した。
そして、自分自身も運動会に参加することで何よりも楽しめた。
家族って楽しい。
ほんと、家族って楽しい。
DINKSなんていう陳腐な言葉が流行った時期があって、子供をつくらないことが、かっこいいなんていうことがあったけれど大間違いだと僕は思うよ。
どんな寂しさも孤独も吹き飛ばすパワーが家族というものにはある。
多種多様な価値観があるから一概には言えないけど、少なくとも僕は家族さえいれば他はもう何もいらない。
それくらい家族というものは楽しい。
これは実は自分自身、びっくりするような発見。
笑っちゃうよね。若い頃世界なんか滅んでしまえばいいと思っていた僕が家族なんて。
ほんと。
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2007-10-18
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