3月某日、晴れ渡る空、海が空に映っているのか、
その逆か、
そんなコトを考えながら母親に手をひかれていた、
幼少期の浜辺での記憶が脳裏に滲む、
風が強い、夏の昼下がり、麦わら帽子の中で微笑みを浮かべる
母親の後ろに浮かぶ、大きな太陽、
あの笑顔だけが、今もまだ僕の中に、
今日も、風が強い、
TOKYO ROLLING LIFE29の景色、2つめの駅。
降りた駅は港区、浜松町、海が近いせいか、
記憶が今を行ったり来たり。落ち着きのない脳内、
目の前に聳え立つ、巨大なビル、世界貿易センタービルと書かれたプレート、
それを読まなくてもわかる、この建物の国における重要性、
僕の頭が今よりもっと狂ったなら、
ヒルズかこのビルか、どちらか燃やして、最上階で笑うんだ、
金が生んだ、恨みや憎しみの上で、
そのために裏切られ、騙され、命まで捕られた、哀れな弱者の為に、
炎に包まれたこの巨大権力の建造物、権力に勝る実力を誇示する。
ビルの下を歩き彷徨う、
覇気を失った自己を主張するコトを破棄した青白いサラリーマン、
首のネクタイが、まるで会社の首輪、不満たらたら、
従順な下僕、踏みにじられた夢、希望、幼き自分。
死んだも同然、お手上げ万歳、シャッキっとせんか、先輩方。
その道を開けろ、俺はまだ死んでない、生まれたばかりだ、
お前のようには成らんから、心配するな。
ストレスと、不安の海で永久に泳ぎ続けろ、気付くのはお前自身だ。
気付くまで続く、終わらないどの道。
無機質なコンクリートで囲まれたこの町、
昼間の路上に動く、管理され統一化された人間、
9時から5時までは拘束されるまるで監禁。首に南京錠、
コンクリート色したそのユニフォーム、背番号は無し、
みんな同じが、お前好み、渡れ赤信号。
俺は反対車線を全裸のままで派手に駆け抜けるから、当然、
そういえば、俺が東京に来るまで、孤独と二人、国道1号線、
繰り返した信号無視の数は108、煩悩と同じ数だけ赤で止まらず、恐れ知らず子供のままで。
アジア東洋、陽いずる国黄金の地ジパング、TOKYO、浜松町。
ヒルズのしたに広がる此処、オフィス街、
渦を巻く欲望と、掴み取る為に蹴落としあう、出世街道、
平成、大不況。
ここで、僕は色々なコトを考え、様々な人の顔を眺めながら、
胸の奥の情熱が爆発し暴走し、狂い大笑いしそうになりました。
あぁ、次はもうちょっと緑の多い、駅で降りよう、
そうだ、そうしよう。
合掌
今日のBGM
ファイト / 中島みゆき
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