10 YEARS ～自由な人生のためのいくつかのヒント～　フリースタイルライフ　～自由型の人生を応援するＷＥＢマガジン

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MIZK
Director

My name is MIZK
Age / 35 / Blood type B

幸いなことに今の僕はかなり自由だ。

完全な自由ではないにしても、フリーのＷＥＢディレクターとして仕事に困ることもなく、家族を食わすだけの収入もありがたいことに得られている。

しかも１０年前の僕だったら想像もしなかったような凄い人たちと当たり前のように日々、仕事をしていたりする。

そして一番大切なことなんだけど僕は、毎朝殺人的な通勤ラッシュに揺られ、会社の入り口でため息をつくこともなく、心の底ではやりたくない仕事の山に絶望することもなく、夜の居酒屋で上司のことを毒づくこともなく、かなり笑って毎日を過ごしている。

”生きている”ということに素直に喜びを感じている。

何の保証もないフリーランスの生き方だから不安が無いと言えば嘘になるけど、それでも２０代の頃の灰色だった時代に比べればなんてことない。間違いなく幸せだと言える。

でも、忘れてはいけないことが１つある。

それは、この自由を、この生活を手にするのになんと１０年もかかったこと。今僕は３５だけど、２０代前半から３０代前半の１０年間、僕は本当にこの世界と相性が会わなかった。どんな仕事をしても幸せだと思えなかった。その結果として様々な職種、会社を渡り歩き、時には無職、ニート、ヒモと化し、酒に溺れこの世界を憎悪し、あげくの果てには犯罪者にすらなりそうだった。

でもそんな馬鹿な僕でも１０年間という月日は僕に少しづつ少しづつ、生きることの何かを教えてくれた。そして僕を今の自由で笑いのある生活へと誘ってくれた。

ある日、僕は恩返しの意味も込めて、その１０年間を振り返ってみようと思った。それがフリースタイルライフを始めた動機だったんだけど、今回この１０年をさらに突っ込んで刻銘に記したいと思った。そして１０年前の僕と同じようなこれからの人、生きるのを諦めてしまった人、そういった人々の生きるヒントになればと思った。。。

そんなこんなでこのコンテンツ始めます。一生懸命やるので皆さん是非よろしくお願いします。

僕の人生もまだまだこれからですが、諦めなければ空はきっと晴れる！！　僕はそう信じて生きています。そして皆さんの空もきっと晴れると信じます。

<2007-1-28　フリスタ編集長MIZK>

>>BACK NUMBER

#YEAR 1 　無職だぜ。ベイビー！

#YEAR 2　おっかさん、世の中は恐ろしいぜ。

#YEAR 3 到着したのは”場末”という名のステーション。

#YEAR 4 クビになった者どもよ

#YEAR 5 自由になる為に、自分を裸にするんだ！

#YEAR 6 たかが仕事なんかで大事な物を失って欲しくないんだよね。

#YEAR 7 人間は他人のエサを意味もなく獲らされると疲れっちゃうんだよ。

	#YEAR 1 無職だぜ。ベイビー！！
	大学という場所を出た22、3才の頃。僕は何とまあ見事なまでに無職だった。理由は今となっては腹を抱えて笑ってしまうんだけど、要するに、就職する気がなかったんだよね。とにかく”働く””社会人になる”ということに驚くくらい関心が無かった。学校にろくに友達もいなかったし。（※学校の外、夜の世界の友達とばっかり遊んでた。）僕が就職をしないということに、誰も関心を払わなかった。そして卒業式を迎え、まわりの皆は就職先も決まり、パリっとしたスーツなんかを着ているのに僕はというと、変なＤＣブランドの水商売みたいなスーツを着てネクタイもせずチンピラみたいなかっこで式場に立ってた。その姿を見た同じゼミのやつがこう言ったのを覚えてる。 ”終わったな、お前。。。” そんなこんなで当然だけど、僕の社会人としてのスタートは無職、いわゆる”プー太郎”から始まった。 ***
	今となっては何でかな？と思うんだけど、何かこう何とかなるような気がしてたんだろうね。とにかく酒ばっかり飲んでた。その頃は池袋の狭いアパートに１人暮らししていて、そこですげー安い日本酒を一升瓶で買ってそればっかり飲んでた。ちょっとつきあっていた女の子とかもいたんだけど、その子は音響関係の会社に就職して、次第に仲が疎遠になっていったのを覚えてる。でも、まあ、そうは言っても家賃は払わなければならないし、酒だって無料じゃないから、ほんと、のそりのそりと二日酔いの頭を抱えながら仕事を探し始めた。 ***
	こればっかりは今も昔もあまり変わらないと思うんだけど、仕事探しの王道はやっぱり求人誌とかだよね。今はフリーペーパーが多いけど、僕の頃は２００円くらいして、それを買うかビールを買うか悩んだこともあるのを憶えてる。悩んだ末に買ってみても、内容がほとんど変わらなかったりで、キショー！！ってなったり（笑）まあ、そんなこんなで色々と仕事を探してみたんだけど、どうにも上手く見つからないんだよね。理由は簡単、かな。楽でカッコイイ仕事しかしたくなかったんだよね。求人誌の仕事はたくさん載っているんだけど、どれもこれもアンテナにピンと来ない。だからほとんど応募の電話もしない。ただ不潔な自分の部屋で酒ばかり飲んでる。そんなことを繰り返すうちに、所持金は底をつき、しょうがないからまずは自分の持っている本とかを古本屋で叩き売る。めちゃめちゃ安く買い叩かれて、１０万円ぐらいかけたかも知れない本や雑誌が全部で５千円くらいにしかならないんだよね。これは本当、愕然としたなあ。あんなに大事にしていた宝物が５千円。。。これは今でも悔やんでいるところがあって、出来るならあの時の本や雑誌を買い戻したいくらい。だからたまにヤフオクとかで探してみたりするんだけど…無い。もしくは高い（笑） ***
	そんなこんなでバイトや仕事はみつからない。でも酒は飲む。彼女はいない。そして酒を飲む。そんな日々を過ごしてて、もう、あれだね。大袈裟だけど脳が腐って来たんだろうね。金もないし、腹は減るし、欲求不満だしで、ほんと野良犬みたいな顔して夜の街をうろつくようになっちゃってね。マックとかさ、コンビニとかさ、賞味期限切れで捨ててるって聞いてたからさ、それを探しにいったりさ、自動販売機の金を入れるところにママレモンみたいな家庭用洗剤を流し込むと、つり銭が出てくるとかさ、そういう情報を得てさ、やったよ、俺（笑）真夜中に真剣な顔して、周りをキョロキョロ見ながら。でも、金は出て来なかったんだよね。今の自販機はそういうことへのセキュリティがされているらしい。だから、やっても無駄だよ。みんな（笑） ***
	こんな暮らしを大学を出てから一ヶ月くらいしていたんだよね。でも、そんな中、ある事件が起きて、こんな生活してたらダメだと僕は思い知らされたんだよね。それは少しつきあいのある男が起こしたことなんだけど、そいつも僕と同じように大学を出たものの働かずに貧乏なやつだったんだ。そいつはたまに僕の家に来て一緒に酒を飲んだりしていたんだけど、ある日、そいつがニコニコして俺に酒をおごるって言うんだ。もうニッコニコしちゃってさ。僕はてっきりそいつが仕事を始めて金が入りはじめたんだと早合点して、喜んで酒をおごってもらったんだ。久しぶりに居酒屋に行ってさ。ひさしぶりに外で、美味い酒と肴が食えてさ、そりゃあもう盛り上がったんだ。そしてひとしきり飲んだところでさ。僕は聞いたんだ。 ”おい、ところでＳよ。どんな仕事を始めたんだよ？” そしたらそいつは、怪訝そうな顔して、 ”仕事？そんなのしてないよ。”って言うんだ。そして僕が”じゃあ、この金は？”って聞くと、そいつは驚くべきことを言ったんだ。 ”ああ、これ。盗んだ。”
	駅で酔いつぶれたおっさんから財布を取ったってサラっと言うんだ。この事件がほんと、こたえてね。。。俺たちは何してるんだ。俺は大学まで出してもらって、なんて生活してやがんだって本当、自分のことが情けなくなっちゃってね。その泥棒したやつとは絶交して、もっとちゃんとしようって強く思ったんだ。だけど、リアルな話し、完全に人生のレールから外れてスタートした僕の人生。ここから僕の１０年間はほんと色々なことがあった。時には泣き出したい時もあった。この世を破壊したいような怒りの時もあった。そんな様々な現実の裏表の光景をこれからお伝えしてゆきます。もしそれが少しでも貴方の人生のヒントになったなら本当に嬉しいです。お楽しみに。
	#YEAR 1 僕がこの時に学んだもの。無職でいることは何か人にとって大切なものを麻痺させちまうんだ。そして野良犬みたいになっちまう。僕はやっぱり人でいたかった。終わり。