でも、実は論語を残した孔子は、
シンプルにこう言っていただけ、
”自分を信じ節度を持って生きよ!!決して世間の奴隷になるなかれ!!”
老子の場合は
”焦らず生きよ!!全ての人が同じ道の上に生きている。だから心配しなくていい。どんな人間もゴールは同じ、その道を、水のように、風のように、逆らうことなくしなやかに進めばいい。
人は皆、大器晩成でいいじゃないか。”
ね。簡単でしょ?
そして、現代だからこそ生きるメッセージがこれでもか!と込められているよね。
孔子の話に戻せば、彼は、この世界をタフにクロールするために、とても大切なことを訴えている。
それはこういうこと。
”人間にとって最も大切なものは、家族と公共性。
もっともくだらないものは、私的な利益のみを追求する仕事。”
ようはビジネスだけの会社人間にはなるな!そんなもの愚かなだけだ!そんなことよりも大切なものがこの世にはあると堂々と言っているんだ。
孔子はそのために勇気を出せと言っている。
※論語は色々な解釈が出来る書物だから、見方によって様々な見解があるんだけど、少なくとも僕にはそう読み取れる。
そして孔子が最も大切にした”世間の奴隷になるな”というメッセージ。
これにまつわるいいエピソードがある。
ひろさちや氏の本に書いてあったエピソードなんだけど、こんなお話し。
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もう二十年も昔、ある手紙をもらいました。
彼女は私の父は偉かったと述懐していました。
彼女は大阪の人ですが、小学生の時、父に連れられて東京に旅行をしたそうです。たぶん親戚の不幸のための上京なんでしょう、だから行きは夜行の三等列車でした。
その三等列車の中で、彼女はキャラメルを食べて、その包み紙を平気で床に捨てました。列車の中はゴミだらけだったので、それが当たり前に感じられたのです。
その時は、父は黙って見ていた…と彼女は言います。
帰りは「つばめ号」の展望車に乗せてもらいました。超豪華列車です。
そこで彼女はやはりキャラメルを食べて、今度は、その包み紙を捨てずに自分のポケットにそっと、しまいこみました。
それを見て、父は私を激しく叱りました。
「お前は、周囲がゴミだらけだと平気でゴミを捨てる。しかし、ゴミ一つ落ちていない豪華列車の中だと、ゴミを捨てない。お前はまわりの状況というものの奴隷になっているんだ。主体性がない。自分というものがない。お父さんは、お前にそんな人間になって欲しくない。捨てるなら捨てる。捨てないなら捨てない。まわりに流されることなく強い自分を持って生きて欲しいんだ。」
父は私に、ゴミを捨ててはいけない、という道徳的なことを言うのではなく、その先のもっと大切なものを私に気づかせてくれました。そのことに本当に感謝しているのです。
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この話がまさに、孔子のいう、世間の奴隷になるな!ということなんだよね。
どんな場所、環境であろうと、強く自分を信じ、節度を持って自分の生き方を貫く。
この孔子のメッセージ、そしてそれを実践した、孔子。
はるか大昔にこんな勇気ある人物がいたと思うと、ハートが強く震えないかい?
孔子(紀元前551年‐紀元前479年)
※参考/
「論語」生き方のヒント ひろさちや
自由訳 老子 新井満
by フリスタ編集 MIZK
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