ーー魔界ですか(笑)!
「魔界ですねー。やっぱり可能性が無限ですので。自分さえ気力があれば、可能性は拡がる街だと思うんです。地方だと、気力がどんなにあっても、やっぱり動けない環境ってあると思うんですよね。でも東京は、ひとこと何か言ったことが現実になったりする」
ーーあー、そういう意味では確かに魔力ありますね。僕も仕事で、会ってみたいけど会えないだろうって人たちに、何人も会うことができました。地方じゃ絶対無理だったと思う。
「もちろん何も行動しなければ、何も起こらないですよ。でも何かアクションを起こせば、リターンが絶対返ってくると思います。これは自己満足かもしれませんが、震災後しばらく落ちていたのですが、『このままじゃいけない!』と思い、ベリーダンスのチャリティライブを企画したんです」
ーー強いですね。僕の周りでも、すぐにアクションを起こしたのは皆、女の人でした。物資を送ったり、いち早く募金を始めたり…。
「本当は被災地にボランティアで行こうと思ったんですけれど、うまくタイミングが合わず、教室も休むわけに行かず…。一人で気持ち的に落ちて行きそうになっていたのですが、そんな時、思いを分かち合い、支えになってくれた親友がいたんです。彼女が力を貸してくれたから、チャリティーライブも企画できた。私ひとりじゃ絶対出来なかったですね」
ーー東京に来てから知り合った人?
「はい。広島で暮らしていたら、絶対会えなかったタイプの子です(笑)。彼女と話していて、自分にできることはやっぱり踊りだって。被災地に行けなくても、東京で踊り、ささやかでもその収益を差し上げることで、何がしかのお役に立てればという気持ちになれました」
ーーそういう時って、思わぬパワーが出ますよね。
「そうなんですよねー。理不尽な出来事に対する、怒りにも似た感情があったと思うのですが、そういう時のステージは意外と自分を出し切れる気がしています。ネガティブな気持ちが踊りで浄化されるというか。チャリティライブで踊ったことで、悶々としていた自分も結果的に救われましたねー。おかげさまで最近、調子がすこぶるいいんです(笑)」
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