ハニーの手ぶら・ノーブラ・ぶらり旅
〜 人生をぶらぶらしてたら、 いろんなところがぶらぶらになってしまったなあ(笑) 〜
Vol.1
16歳の夏
ユーミンの歌の中で大、大、大好きな曲がある。
ギルバートオサリバンのクレアに良く似たイントロから始まる、
『気ままな朝帰り』という曲。
恋人と一緒の楽しい時間も、門限の制約があり思い切り楽しめない。
でも、ある日運命の出会いで、『家を出て一緒にくらそう』、
と前途を示す彼が現れた、という内容。
二人だけで暮らして、もう縛られない、要は寝るのも、起きるのも、
食べるのも、一緒なんだよって。
私にも16歳の誕生日に、本気で『家を出よう』と言ってくれた人がいて、
そして実行した思い出がある。
彼は美術部の一つ先輩だった。
物静かで、大人な感じで全然がつがつしてないのに、
絵や、音楽の話をふると予想以上の知識を織り交ぜて返してくれる。
彼と太宰治が好き、という共通項で話しが一致し、その年の6月、
一緒に桜桃期(太宰の命日)に行った。
それから約3ヶ月、私たちの『気ままな朝帰り』ストーリーは濃密に展開していく。
真夏の公園のトンネルの中、駅のホームの一番端っこ、
オフィスビルの階段の踊り場、
千葉駅から銚子駅まで2往復(!)、とにかく人気がないところを探してはいちゃつきあった。
朝の通学も、放課後帰るのも一緒、授業中だって手紙を書きまくった。
喫茶店にいけば、一杯のモカジャバで4時間ねばる。
近くの海は絶好の場所。暗くなったら、抱き合ってごろごろ。
アメリカのドラマみたいに盛り上がっていた。
そして、9月になる。
あまりにも彼を好きすぎて、思いが突き抜けてしまった。
『このまま、彼を好きなまま死にたい』、心からそう思ったのだ。
もう彼以外の誰も好きになりたくない → 彼を好きなまま死にたいに発展してしまう。
16年間の人生のすべては、彼との一瞬のためにあったと思いたくて、
彼に何度も殺して欲しい、と切望した。
もともとご両親の愛情たっぷりに育ってきて穏やかな彼は、本当に困っていたと思う。
私のエキセントリックさにそれでも、ついてこようとしてくれていた。
遂には『自殺のすすめ』という本を買いたい、と言った私を、
こいつは本当に死ぬ、と思い
首締めあったり、一緒に海に飛び込んだりした後で、
『一緒に家を出よう』、と私から死のベクトルをそらせてくれたのだ。
そのとき生まれて初めて、永遠・・・という気持ちをもらったと思う。
もともと死ぬ気だったので、家出るなんてどうってことない。
ただ彼の家族に対しての罪悪感が、もう一方でぐるぐるに押し寄せてくる。そしてある朝、いつもの喫茶店で待ち合わせ、
彼はカスミソウの花束を持って現れた。
このとき、彼は17歳。
そして黄色い電車にのり、どこへ行こうか考えた。
黄色い電車の行く先は新宿。
新宿で二人合わせたお金の中で、3000円の切符を買った。
3000円で行ける一番遠い場所、行った先は長野県松本市だ。
私の中で彼を両親から引き離した罪悪感で頭の中はぐるぐるになり、
電車が進めば進むほど、その気持ちは巨大になって押しつぶされそうになり、 結局6時間くらいずーっと黙ってた。
その後は、長野で兄弟と偽って、偽名と年齢詐称でアパートを借り、
翌日には私はおすし屋さんのバイトを決め、
三日後にはバイト先へ行くのに彼が鍵のついたままのバイクを拝借し、
あっという間に警察につかまった。
彼の家族からは捜索願いがでていたので、
すぐにご両親が迎えに来た。
警察での事情聴取。受けたことありますか?
長くてしつこくて、とにかく嫌だった。でも、どこかでほっとしてた。
こんな漫画のような出来事が、成就するはずがないよなって。
そして、彼を彼の愛する両親のもとに帰すことができたから。
初めて好きな人と暮らした部屋は、9月なのにとっても寒くて、
前の住人が残していったカーテンに二人でくるまって寝た事、
朝起きたらレースのダイヤ柄が二人顔についていて、
幸せに笑いあった事が忘れられない。
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