北海道・函館。脱サラして小さなもつ焼き屋「兆治」を営む英治（高倉健）と茂子（加藤登紀子）の夫婦。しかし、平凡ながらも幸せな日々を送っていた英治の前に、かつての恋人さよ（大原麗子）が現われた。英治のことが忘れられないさよは、やがてすさんだ生活に身をゆだねていく…。

山口瞳の同名小説を監督・降旗康男、撮影・木村大作、主演・高倉健の『駅STATION』トリオで映画化。久々に等身大の庶民を演じる健さんの姿は実にさわやかで観ている側も心地よく、健さん映画に欠かせない個性派俳優たちも競って店の客として登場。またここでは映画初出演の加藤登紀子が絶品の味わいを見せている。その加藤の名曲を健さんが熱唱する主題歌『時代遅れの酒場』も、この暖かくも切なく悲しい人間ドラマにふさわしい。（増當竜也） …　Amazon.co.jp より抜粋

高倉健の映画ではこれと夜叉が個人的に凄い好きです。

でも女性には不評みたい。（※おそらく）
女性から見ると、一人の優柔不断な女に様々な男が翻弄されてゆく様子が腹立つみたい。言われてみるとそうだよなあとも思えるところがあるけど、そんなことはどうでもいいくらい男性である僕は好き。

時代とともに失われてゆく男のやせ我慢の美学。
そういうものを見るたびに思いださせてくれる僕にとって大事な一本。
おそらく最悪に悲しい結末のはずなのに、その悲しみからも兆治は逃げない。

たった一杯の酒だけに自分の悲しみを許す。
そして涙の一杯たまった瞳でまた明日へと向かう。

そんな兆治に僕は勇気をもらえるのです。

ジョゼと虎と魚たちの主人公、妻夫木くんにもそう思うんだけど、結局、人間なんて無力だ。

自分ではどうにも出来ないことがこの世界には満ちている。

その悲しみにどう立ち向かうかでその人の人生が決まる気がする。

男の無力感。

これは永遠に続くのかな。それとも。



今宵、どうぞ。

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