第三回 いきなり転倒事件 in 北海道(後編)
自分がリードしていかなくてはならないツーリングなのに、
いきなり転倒してしまった…大失敗である。
コケた後どうなったか簡単に言うと、函館の街に戻ってバイクはハンドルを交換、
左手首は整形外科で固定された。
レントゲンでは見えないヒビや骨折があるかも知れないので、東京に帰ったら
検査するように、と言われ、とりあえず痛みと腫れが引くまではバイクに乗れないので
数日は函館に滞在することに…。
今までツーリングと言ったら毎日田舎道を300キロとか走ってキャンプして、
を繰り返すのが定番だったのに、いきなりこの事態。こんなの初めてだ。どうなる!?
で、結果から言うと、かなり楽しかった(笑)。
いつも道東方面の田舎ばかり行っていたので、街の観光地には無縁の旅をしていた。
それに対しこの時はもう、ふつうに観光旅行でありました。
五稜郭に行ってタワーにのぼってみたり、昼間っからイカめし食べてビール飲んでみたり。
路面電車に乗って港の赤煉瓦倉庫的な観光地に行ってみたり…
バイクに乗って函館まで来たことすら忘れるくらい(?)、普通に楽しめた(笑)。
それというのも自分ひとりじゃなくて、つまこと一緒だったからだと思う。
元々自分が楽天的な性格だとは思っているけど、さすがにひとりで転倒&怪我したら
茫然としただろう。痛くても無理に走ろうとしてしまったかもしれない。
怪我してひとりでホテルに連泊しても、きっとおもしろくもなんともないだろうし。
「こうなったら仕方ない、函館を楽しもう」という気持ちになれたのはふたりだったから。
昼間は観光旅行的に街をうろうろし、夜はネットつながりの現地のバイク友達と
飲みに行ったりして…そんな風に何日か函館で過ごすと左手の痛みもひいてきたので、
帰りのフェリーが出る苫小牧に向けて走ることにした。
札幌から来てくれた別の友達とバイク3台で、3日かけて苫小牧までゆっくりと走った。
それでもしっかりキャンプはして、ツーリングらしいことも楽しんだ。
帰りは八戸からまた高速を走る予定だったが、さすがに無理だと思われたので、
大洗までの船に変更して東京まで帰ってきた。
「転倒事件」なんてタイトルにしたけど、転倒したときが最大のピンチで、
函館に着いてからは案外お気楽に過ごしてしまった(笑)。
ちなみに帰京後に受けた検査で判明したのだが、手首の舟状骨という極小の骨が折れていた。
2ヶ月ほどギプスの日々が続き、バイクはおあずけ。
仕事や生活にもいろいろ支障が出たけど、つまこの助けによってなんとかしのげた。
早く治してまたバイクに乗りたいという気持ちにもなれたし、ありがたかった。
それ以降は、こんなことにならないよう注意して走っている、つもり…
また迷惑をかけてはいけないからね。
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