2004年11月21日、私はコイビト宅のトイレで呆然としていた。
もしや・・・いやまさかなぁ。そんなこと、あってほしくない。
お願いだからどうか気のせいでありますようにと、まさに祈るような気持ちだった。
でも胸騒ぎがしたんだよね。どうにも嫌な予感が。
だから調べることすら恐くて放置してたけど、そろそろはっきりさせなくちゃ。
そんなふうにグチャグチャ思いをめぐらせながら買ってきたそれを、
私はただただ見つめていた。シルシの色は尚も濃くなる。
何度見ても陽性。やっぱりね。予感的中、嗚呼無情。
うっわー・・・・・どうしよう、これ。ほんとシャレにならない!
まさか本当にまた妊娠しているだなんて・・・。
信じられなかったし信じたくなかった。間違いであってほしかった。
だって。なぜ、よりによって今回なのだろう。よりによってよりによって。
どうしていつも素直に喜べない状況のときに限って当たるんだろう。
「冗談でしょ・・・。」
ぐるぐるってゆーか、くらくらってゆーか。
てゆーかマジで心臓がばくばくしてきた。
正直私は動転していた。けれどコイビトのことを思い、とりあえず平静を装う。
静かに、なるべく動揺を表に出さないように努めながら。
案の定不安顔のコイビト。そりゃそうだ、当然の反応だと思う。
なぜなら私はキコンシャで、彼は私の3コ下なのだから。
とにかくちゃんと考えなくちゃ・・・うん、タバコでも吸ってひとまず落ち着こう。
って、タバコなんて吸ってていいのか?
だってもう、いるんだよねぇ?こん中に。
じっと腹を見る。
・・・つづく
楠本 真夕 (くすもと まゆう)
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