インフルエンザの予防接種を受けに海浜病院へと行った。
うちの子供は卵のアレルギーがあるとのことなので近所の正岡クリニックではなく、大きな海浜病院へと行くこととなった。
なんでも大きな病院でないと、もしショック状態に陥った時に対処できないらしい。
(※インフルエンザには卵関係の要素があるらしい。)
そういうとても不安なことを頭に植え付けられ病院へと行った。
結果。
特に重大なこともなく、接種は終わった。
嬉しかった。
普通に注射を受けられる。
たったこれだけのことが、心の底から嬉しかった。
針を刺されて痛い思いをした息子には悪いけれども。
病院にはいろいろな親子がいた。
お母さんと子供というパターンが一番多い。
そして気のせいだろうか。
怒っているお母さんをよく見た。
それも相当激しく子供に対して怒っている。
当然、子供は大きな声で泣き叫んでいる。
お母さんは子供に負けじとさらに怒る。
どんなことに対して怒っているのだろう。
僕は耳をそばだててみた。
どうやら、子供はお母さんとの約束を破ったらしい。
約束が違うじゃない!
と子供に大して真っ赤な顔をしてどなっている。
いったい、どんな約束だったのだろう。
その日、来ている親子はほとんどインフルエンザの予防接種だろうから、子供とおとなしく注射を受ける約束でもしたのだろうか。
それを、破って痛い痛いと泣き叫んだ。
もしくは嫌だ嫌だと注射を拒んだ。
こんな感じの約束を破ったことで怒っているのだろうか。
真相はわからないけれども、僕は怒っている母親のことを不愉快に感じた。
その怒っている顔が子供よりも幼稚に見えた。
子供同士の喧嘩に見えた。
病院には色々な親子がいた。
何か障害を持つ子供を抱えたお母さんもいた。
その子供たちはとても静かだ。
ただ静かに時を見守っている。
まるで達観した大人のように。
そしてその子供を愛おしそうに、そして切なそうに見つめるお母さん。
きっと注射に対して泣き叫ぶこともなかったのだろう。
痛いということもなかったのだろう。
お母さん助けて!と甘えてくることもなかったろう。
ただ静かに時は過ぎたのだろう。
その近くで自分の感情を爆発させ子供に対して怒るお母さん。
注射で泣いたから、だだをこねたからという理由で今にも殴りかかんと怒るお母さん。
泣き叫ぶ子供。
その光景を見て、
怒ることが出来る幸せというものがあるよね。
それに気づけないのだろうか。
と隣の彼女がいった。
その通りだなと頷いた僕の背後では、
くわえタバコで子供をあやす母親。
下衆な顔をしている女だと思った。
ある日の我が家の風景。左はボス from三宅島。
←戻る
|