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>> シンフ ノ キモチ …(新父の気持ち)
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Vol.5
5月某日 「 未発育2 」 |
6日間が過ぎ、再検査の前日となった。
彼女も僕も考えることに疲れたのか、それとも考えすぎて逆に考えなくなったのか、結構静かに前日の夜は過ごした。
やれるだけのことはやったつもりだった。
と、言ってもやれることなど、栄養を取って安静にする。
それぐらいのことしかなかった。
あとは、気持ちを明るく持つ、これだけ。
二人とも努めて明るくしていた気がするが、それでもやはり心の中には不安が渦巻いていたと思う。
その証拠に、僕らはテレビで流れてくるさまざまな映像に異常に敏感だった。
特に子供の出産や死に関する情報には異常に神経質になった。
テレビはそんな時に限って僕らの不安をあおるような番組を並べたてていた。なぜだかわからないがテレビには不幸な情報のほうが多かった。不幸な情報のほうが人は好きということなのかと僕は思った。
人間の運命は一体誰が決めるのだろう? 誰が、ある子供には健康を与え、ある子供には不健康を与えたりするのだろう。誰が?いや、何がそういうことを決めるのだろう?
僕はそんなことをこの時期、考えていた。
そして、そんな問いがごく自然に僕の頭の中を24時間漂っていた。
翌日、病院へと足を向けた。
病院へたどり着くまでの道はほんのわずか。でも長い。
長いというか重い。
無理にエントリーされた絶対ビリになるスポーツ大会の朝。
病院の待合室はいつものとおりだった。
明るく、暗い。
保険証を出し、椅子にすわり呼ばれるのを待つ。
前方には待合室用のテレビ画面。画面には男と女のタレント。紹介される飲食情報、旅行情報。うっとうしかった。
近くにはたくさんの妊娠にまつわる雑誌。たまごクラブとかひよこクラブとか。
手にとる気がしない。まったく読む気がしなかった。
しばらくすると彼女の名前が呼ばれた。
その時、彼女の顔は見ていなかったが何となく泣いていたような気がする。
見てはいなかったんだけれど。
彼女が診察室へと消え、たった一人の待合室が始まった。
前もそうだったが、ここからの時間が一番きつい。
女の人には体験できない産婦人科での男だけのきつさ。
世界一無力な存在の葛藤、世界一だらしない男の終わらない後悔。
全ての自分の人生のプレイバック。エンドレステープの再生。
タイムマシンへの渇望。
僕は自分自身の生活のだらしなさを自覚していた。
だから、子供をつくると決めた時は自分のことを鍛え直すつもりだった。
具体的には早朝からトレーニングをして…酒をやめて…バランスの取れた食事をして…そして次の子供へと繋がる健康な遺伝子をつくりあげる。
でも実行しなかった。いや、出来なかった。
実行する間もなくこの待合室へとなだれこんでしまった。
激しい後悔が僕を襲う。
ずるずると生活を戒めなかった自分自身に対して激しい後悔が襲う。
執拗に襲う。
もうどうにも出来ないのに。
でも自分なりに結果は覚悟していた。
子供の生命が絶たれているかもしれないことも覚悟していた。
たとえ子供の生命がつながっていたとしても、健康ではないかもしれないことを覚悟していた。
そして僕はある1つの結論に行き着いていた。
何があっても揺らがない。
どんな結果が待っていようと、絶対に揺らがない。
そして全てを受けいれる。
そんな結論に。
20分後、診察室のドアが開き、彼女の姿が僕の目に映った。
…つづく
出産時の痛み
出産時の妊婦の痛みは人それぞれ、まったく痛くない人もいれば、その逆の人も。
ただ、その痛みを通常、男性が受けると死ぬらしい。
痛みのショックで。
本当だろうか?
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