20分後、診察室のドアが開き、彼女の姿が僕の目に映った。
彼女の顔は穏やかだった。
いや、穏やかだったが、こころなしか上気したような感じだった。
僕は直感した。
きっと心配するようなことはなかったのだと勝手に直感した。
近づいてくる彼女のことを僕はまじまじと見つめた。
彼女が近づいてくるたびに僕の心の中には緊張感がみなぎった。
そして彼女が僕の横にすわった。
「どうだった?」
答えは予想通りだった。
お腹の子供は健康だった。
健康に育っていた。
先週の状況が嘘だったのではないかというくらい順調な状況に回復していた。
僕は素直に喜んだ。
良かったー良かったーと馬鹿のように声に出した。
病院を後にしても僕の心の喜びは止まらなかった。
止まらないどころかどんどん増幅していった。
家路へとつく道すがら、良かったなー良かったなーとさらに馬鹿のように連呼した。
そして僕は空を見上げた。
そこには綺麗な青空があった。
僕は空に向かって言った。
「すばらしい!」
周りの人に変な目で見られながら何度も連呼した。
「すばらしい!!」
何も恥ずかしいことはなかった。
…つづく
出産時の痛み
出産時の妊婦の痛みは人それぞれ、まったく痛くない人もいれば、その逆の人も。
ただ、その痛みを通常、男性が受けると死ぬらしい。
痛みのショックで。
本当だろうか?
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