先週、、赤ちゃんの無事が確認され、2週間くらい僕の心は小康を保っていた。
でもあくまで2週間だった。
最大級の不安がこの後、僕を襲った。
2回目の検診の結果がかんばしくなかった。
医師によると予定された成長をしていないとのことだった。
赤ちゃんが子宮の中で大きくなっていない・・・
その言葉は僕のことを、そして彼女のことを激しく打ちのめした。
僕らは必死にその原因、そして解決策を模索した。
でも、動揺して的確な判断は出来なかった。
とにかく、一週間後に再検査しますから、それまで安静にしていて下さい。
そう言われて僕らは病院を後にした。
この医師の言葉は僕らの視界を真っ暗にした。
僕は少しでも希望の光を見つけようと、彼女にその時の医師の様子、診察状況などを詳しく冷静に聞いた。
でも、聞けば聞くほど光は遠ざかっていくようだった。
聞けば聞くほど最悪なシナリオが待っているような気がした。
そして悲しいけど僕は弱気になった。
それくらい、その「子供が育っていない」という言葉には絶望的な響きがあった。
この時のことは本当に今、思いだすのも辛い。
彼女の心持を考えるとさらに辛い。
僕は再び、自分の人生を呪った。
そして、つきなみだが、どうして僕らがこんな思いをしなくちゃいけないんだと天を呪った。
それからの一週間は本当に大変だった。
心のバランスを保つのがなにより大変だった。
うちには母が1人いるのだが、その母にも内緒にして、
子供が成長していないということを僕らだけの秘密にして過ごした。
もちろん彼女の両親、そして親戚、その他全ての人に内緒にして過ごした。
全ては順調に進んでいると嘘の報告をして彼らの前では笑顔をつくった。
そして祈るような気持ちで、明るいことだけを考えて1日1日を過ごした。
二人ともつとめて表情は明るく保っていたが、内心は暗かった。
色々なことを考えた。
人生について色々なことを考えた。
そして色々な人たちのことを思った。
決して恵まれた形では子供を授からなかった色々な人たちのことを思った。
僕らは果たして彼らのように強く生きれるのかどうか身震いした。
・・・つづく
>何かあるたびにお世話になった幕張レディースクリニック
海外出産事情
オランダ … オランダでは自宅出産が一般的、出産費用も日本にくらべると三分の一。
出産しやすい環境らしい。
オーストラリア … オーストラリアには既に分娩台を使っての出産はないらしい。
理由は不自然だから。
あくまで自然に夫や子供などの立会いも認められ、自分が一番楽な姿勢で出産を行うとのこと。
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