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Vol.3
4月某日 「 出血 」 |
天国への入り口は、同時に地獄への入り口でもあった。
彼女の妊娠が確認されたその日から、僕はさらに安眠できなくなった。
次から次に思いつくかぎりの不安なことが頭をよぎっていった。
生活できるのか?
もし収入が途絶えたらどうするのか?
子供をキチンと学校に行かすことが出来るのか?
ちゃんと子育てできるのか?
そもそも僕は親になれるのか?
そんな、ここには書ききれないくらいの些少な不安が常に頭を埋め尽くした。
今回の妊娠という現象には本当に驚くくらい不安な要素がたくさんあった。
しかし最終的に僕にとって最大の不安は彼女のお腹の中にいる新しい生命の健康のことであった。
先週の検診ではあくまで妊娠しているという事実が発覚したにすぎず、決して子供が健康に育っているという証ではなかった。
まだ妊娠2ヶ月くらいなので、流産するという可能性だって多分にあった。
僕は子供が健康でなかった場合のことをなにより恐れていた。
そんな日々の中、嫌なことが起こった。
彼女の突然の体調不良。
彼女はある日の朝、自然ではない出血が認められた、と蒼白な顔をして僕に申告してきた。
自然ではない出血。
出血したことがない僕には、それがすぐにとんでもない異常事態であることを理解した。
簡単に言うと、流産だと思った。
僕はこの時、徹底的に自分の人生に自信を持っていないことを、悲しいけど感じた。
なぜなら、自分の人生はそんなものだろうと一瞬思ったから。
僕は幸福には馴染んでいなかった。
むしろ、幸福が去ってゆくことへの対処のほうが百戦錬磨だった。
自分が傷つかないありとあらゆる方法…。
それだけはたくさん知っていた。
だけど、その百戦錬磨にも一つだけいいところはあった。
彼女のほうが痛いんだということを瞬時に理解する洞察力があったから。
僕は彼女のことを本当に心配した。
本当に不安で不安でしかたないのは彼女自身にほかならないに違いなかった。
僕は自分の持つボキャブラリーの全てを使って彼女を苦痛から解き放とうとした。
…まだ、わからないよ…
…そういうことも妊娠中には、あるのかもしれない…
…もし、最悪の事態になっても、君は君なんだ、何も変わらない…
…例え今回、悲しい結果に終わっても、それは僕たちだけじゃない、そういう悲しい思いをした人はたくさんいるんだ。100%なんてないんだ…
そんな言葉を彼女に発したが、それは結局、自分に言い聞かせているだけだったような気もする。
でも必死だった。
彼女のダメージを少しでも、本当に少しでも減らしたかった。
全てのダメージを出来るならば僕にぶつけて欲しかった。
次の日、早速、病院へ言った。
赤ちゃんは無事だった。
医師によると、彼女の動きすぎによる現象とのことで、妊娠中はもっと静かに…重いものを持たないように…、と注意された。
僕はただ笑った。
・・・つづく
>この時期の彼女と猫(ボス)
出産平均年齢
現在、最も多い出産年齢は25歳〜30歳。
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