子供が無事退院した。
素直にうれしい。
生まれてすぐ喉に問題があることを医師より告げられ、何ともいえない、いつも微妙に緊張していた1年半がやっと終わった。
医師によると、もうこれで自然の成長とともに改善されていくらしい。
僕は自分にすごく自信がないから、子供にもしかしたら何かがあるかも知れないと、実はいつも思っていた。
そして、妊娠中はそれを敢えて考えないようにしていた。
必死に自分に大丈夫、大丈夫と言い聞かせていた。
でもそれが現実に起こってしまった時の思い。
今でも鮮明に覚えている。
病院にいる彼女からそのことで電話があった時、彼女は、そして僕は泣いた。
どうにも止められない嗚咽で顔を覆った。
悲しいという感覚ではなかった。
自分の子供が背負ってしまった人生を思い、泣いた。
そしてひとしきり泣いた後、僕は決意した。
必ず俺が守ってやるからな。
それから自分に出来ることは何でもやった。
心に不安を抱えているから、焦ったり、いらいらしたりして彼女とよく喧嘩したりした。
子供に万全の医療を施してあげたいから、仕事も絶対に成功させてやる!と頑張った。
色々な人が自分の子供のことを話してくれたり、メールをくれたりして凄くうれしかった。
そして同時に実に驚くくらいみな苦労していることを知った。
現代は本当に問題を抱えながら産まれてしまった子供の数が多い。
でも、みんな乗り越えている。
それが僕の心を支えてくれた。
皆さんありがとう。
子供を授かった人間にはいいことと悪いことがある。
いいことは、もちろん子供の笑顔を見られること!
本当に可愛いんだ。
そして悪いことは、この世界の悲しみを理解できてしまうこと。
子供を持つと世界の全てを理解できる。
そして人の悲しみを全て理解できる。
そして世界の矛盾に対する爆発的な怒り。
知るがゆえにこの世界が悲しく見えてしまう。
だけどそれがゆえに儚い美しさも理解できるんだけど。
とにかく息子よ!
君の第一の試練は無事終わった。
ハードルはこれからもいくつも来るだろう!
だけど行け!この世界を、この人生を!
父ちゃんはいつでも見守っているぞ。
進め!
僕の愛しき101パーセントボーイよ!!
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