2004年から2005年 オレオレ詐欺、振り込め詐欺がなんと261億円ものお金を人々から巻きあげた。
いや善良な人々から今もなお巻き上げ続けている。
僕には犯人たちが何を考えているか手にとるようにわかる。
犯人たちは父親というものをきっと憎悪しているはずだ。
父親を憎悪して育った子供は父親の代表である社会というものを憎悪するようになる。
そして復讐を誓う。
父親をいつか殺してやると思いながら育った僕が言うんだから間違いない。
その復讐の方法がこの詐欺だ。
犯人たちは必ずこう言っているはずだ。
「大人たちが、くだらねえことで貯め込みやがった金を俺達が市場に戻してやるのさ。」
「いわば慈善事業なのさ」
そう言いながら奇声をあげて徒党を組んで酒を飲んでいるはずだ。
ありありとその光景が目に浮かぶ。
離婚や未婚女性の出産の増加で、母子家庭の数が2003年時点で過去最多の約122万5000世帯となったこともこれから影響をさらに及ぼすと思う。
父親がいないということはやはり深い影を落とす。
父親がいないという事実だけで、子供は無条件に父親を憎む。
なぜなら捨てられたと判断するからだ。
しかし、いても、いないような状態というものもあるだろう。
父親が子供を家庭を放棄している。
そっちのほうがたちが悪いのかも知れない。
これからは子供と真剣に戦う父親が求めらる時代。
僕は戦えるかな?
頑張らなくちゃな。
そんなことをよく行くカレー屋さんポットカレーで、辛口、並を食べながら思った。
店内には僕のほかにチンピラとヤンキーの中間みたいな3人組。
いかにもオレオレ詐欺の手先みたいに見える3人組。
携帯をバコバコやりながら武勇伝を下卑た笑いで披露する。
それを気の弱そうな店員がただ笑顔で見守る。
僕は3人組からチラチラと投げられる好戦的な視線をかえりみず、
ひたすらにカレーを食う。
ケンカになったら勝てないよな
とか、どうやって逃げるかなとか思いながら
ただ黙々と食う。
そんな午後3時。
嫌な予感のする午後3時。
追申
白状します。
僕は暴力というものが本当は心の底から怖いんだ。
怖くて仕方がないんだ。
ひざがガクガクと震えるほどに。
子供がついに歩きはじめた。うれしい。
←戻る
|