ついにその日は来た。
健康で元気な子供を持ったお父さん、お母さんにはわからないであろう緊張の一ヶ月検診結果発表の日。
僕らはこわばった表情で病院へと向かった。
結果。
まず第一の肥厚性幽門狭窄はなかった。
ただの吐き戻ししやすい子というところで落ち着いた。
2番目の心臓。
これも内臓のスクリーニング検査(なんか機械を使って精密に検査するらしい)
の結果、以上はなかった。
そして3番目、耳。
この検査は別の検査であるため結果を記載した紙が
別の封筒に入れられていた。
それを医師が開ける。そして書類を取り出し神妙な顔をして見る。
恐ろしい時間だった。
でもすぐに医師が明るい顔をして
「うん、大丈夫ですね!」
と言った。
その言葉にその場はパッと明るくなった。
そして僕らは顔を見合わせて
良かったーという顔をした。
でもその数秒後、疑り深い僕は本当に大丈夫なのか心配になり
医師に、家であまり物音に反応しないことなどを伝え、
そのうえで大丈夫なのかと聞いてみた。
そんな神経質な僕の質問にも医師は明るいテンションを崩さず
「うん、そういうことはよくあることだから大丈夫!とにかく聴覚の機能は正常です。」
と伝えた。
この明るい医師に僕らはかなり救われた。
医者嫌いの僕がいつのまにか医者という存在を尊敬しはじめたのはきっとこの頃かも知れない
ともかく不安の一ヶ月検診は医師、そして医療の技術によって
これ以上ない嬉しい結果となった。
僕は医療というものに深く感謝した。
…つづく
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