12月某日 「 クリスマス 」
子供が生まれてはじめてのクリスマスを迎えた。 仕事の関係で彼女と子供のそばにいれない僕は プレゼントを贈ることにした。 プレゼントは3人おそろいのシルバーのリング。 千葉は船橋にあるららぽーとの「BEAU」 という宝石屋で買った。 すごくいい店長さんが応対してくれて とても気持ちよく購入できたのを憶えている。 子供が生まれたことで、また子供の体調のことで すごくナーバスになっていた僕のことを知ってか 知らずか、本当に親切にしてくれた。 人が優しくしてくれる。 これが本当に嬉しかった。 リングには3人のイニシャル、子供の誕生日 そして3つの言葉を彫ってもらった。 LOVE HOPE COURAGE 愛と希望と勇気 今ぼくらにもっとも必要なものだと思った。 そしてこのリングをみんなで握り締めれば きっときっと何も起こらないと信じた。 プレゼントを贈ったのにはもう一つ理由があった。 それは彼女のことだった。 彼女のほうが子供のことに関して僕より さらにさらにナーバスになっていた。 口では言わないが、その気持ちは伝わってくる。 毎晩泣いているのだろうと思った。 人間は不完全だ。 後悔は無限に出来る。 生まれた子供に不安がある・・・ こんなに恐ろしく、そして悲しいことはない。 でも、僕は彼女にこのプレゼントを通して 「大丈夫。」 そして本当に「子供を生んでくれてありがとう」 と伝えたかった。 これが、子供が生まれて初めての クリスマスだった。 …つづく
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