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>> シンフ ノ キモチ …(新父の気持ち)
<<
ヒッヒッフーという一定のリズムを持った呼吸を続けながら彼女は時計を見続けた。
どうやら間隔がせばまってきているらしい。
そして悲痛な叫び声をあげる。
その叫び声に僕はただただ右往左往する。
そして何もすることが出来ないことをあらためて実感する。
彼女が痛みのあまり看護婦さんを呼ぶ回数が増えてゆく。
そのたびに男である僕は病室の外へと出され
ただじっと待つ。
看護婦さんの対応は意外なほどドライだ。
もうちょっと親身になって!というくらいドライだ。
看護婦さんにとっては日常のことだから仕方が無いか・・・
でも、正直、少し嫌な感じもした。
彼女が看護婦さんに5回ほど来てもらった時だろうか。
ついに分娩室への移動となった。
まずは彼女だけが看護婦さんに付き添われながら
分娩室へと向かった。
彼女は痛みで歩くのもできないような状態に見えた。
きつそうだった。
僕は準備が出来次第、呼びますからということで
待機させられた。
彼女が分娩室に入る時すきまからチラッと中が見えたが
銀色や緑のビニール質が多い空間で
そこはすごく無機質な空間に見えた。
待機している間。
ただ祈った。
ただ願った。
彼女が無事であることを。
そして願わくば産まれてくる子供が健康であることを。
準備が整い看護婦さんが僕を呼びにきた。
僕は分娩室の入り口を見つめながら、あの言葉を口にしていた。
「・・・揺らぐな・・・」
僕は最後の覚悟をした。
何があっても絶対に揺らがないと決めた僕の顔は
きっと人でも殺してしまいそうな顔をしていたのだろう。
看護婦さんが少し怪訝そうな顔をして僕のことを見ていた。
…つづく
出産と呼吸法
出産と呼吸法はとても大事なこと。
正しい呼吸方法はそうとう出産を楽にするらしい。
いざ本番になってあわてないように早めに練習しておくといいかもしれない。
呼吸法ひとつで赤ちゃんへの影響も違ってくるらしい。
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